首、肩の痛み 2011.10.25
首、肩の痛み
患者 女性、38歳、
痛みにも色々あって、頭が持ち上がらないほどの、首、肩の痛みもある。治療室に入ってくるのにも、首に手を添えて入って来た。よほど痛いのか、泣きそうな顔をしている。
5人の子供のお母さん、5人目の子供が、1歳2カ月になる。いちばん手のかかる時期に、とうとうお母さんの首が動かなくなってしまった。
整形外科へ行って注射を打ってもらったが、何の効果もなかった。思い余って、携帯で検索して、当院のホームページを見てやって来たという。
授乳の時は下を向いて、お乳をやるのだが、その姿勢がつらくてたまらない。
下を向くと、首肩がドーッと凝ってくるのが分かる。
今や、首肩の凝りを通り越して、痛みで夜も寝られないほどになっている。寝ていても、首の置きどころがない感じだ。
診察してみると、足から、臀部、腰、背中、首、後頭部、ずーっと連なって緊張していた。また頭、後頭部、首、肩、にかけても緊張がある。
これは膀胱経と小腸経という名前の通り道だが、治療はそれに全部、鍼をするわけではない。足のふくらはぎと、後頭部に鍼をして緊張を取り除き、そのあとで知熱灸をして補って置く。
患者さんにとっては深刻な悩みだが、このように元気なお母さんが、バリバリに凝った状態になった病気は、我々鍼灸師にとっては、とても簡単に治る病気なのだ。
健康な人は生命力がある。ネックになっている緊張の個所さえ的確に押さえて治療できれば、あとはその人の生命力がどんどん回復してくれる。
この患者さんも、来た時には泣きそうな顔をしていたが、帰るときにはニコニコして、首肩がすっきりして、頭も軽くなった、と言って喜んで帰って行った。
治療法
ここからは専門的な用語がいっぱい出て来ますから、一般の人は分からないと思います。悪しからず。
本治法 肺肝相克の2行線を使う
女性なので右から心2(神門と太陵の間)と太白穴に知熱灸。
左から太谿穴と肺2(太淵と太陵の間)に知熱灸。
標治法 下腿の委中穴から陰谷穴より3センチの所までに、鍼をして実を
取き、その後、灸をして補う治療をした。
この治療により後頸部、肩、背中、腰部、臀部、大腿後側、
下腿後側にかけてのツツパル様な痛い、こり感はなくなった。
標治法 後頭部の脳戸穴と左右3センチに実の所見あり、接触鍼をして
実を取り除いた後、知熱灸をして補った。
この治療により頭、後頭部、首、肩、のこりが取れ楽になった。
下を向いてお乳をやる姿勢を取っても楽になった。