円形脱毛症 2010.07.11
円形脱毛症
精神的に追い詰められたときに出てくると言われている。全身的なバランスから診ると、心経と言う経絡が弱っていることが多い。心経は神経と関係が深く精神的な動揺も原因の一つになるようだ。
ぎっくり腰で来た患者さんが、こんな病気は先生が診れるかどうかわからないのですけど、5日前、散髪に行った時、円形脱毛が2箇所ありますよと言われた。こんなのは鍼灸で治りますかねという。
以前、若い女性で、円形脱毛症を治したことがある。この女性の場合、円形脱毛症と言っても、全く髪の毛がない、つるはげであった。はじめは円形の脱毛だったのだが、徐々に脱毛が増えてきて、当院を訪れたときには、全く髪の毛がない状態で、かつらをかぶっていた。
この女性の治療では、全部生え揃うまで4ヶ月を要したが、何とか頭全体に髪の毛が生えるようになった。
頭の髪の毛は、背中と密接な関係にある。脱毛している所は虚(弱っている状態)のところである。頭の脱毛の部と関連のある、背中の部位を探し出して、そこに知熱灸をすえ、補うことによって頭の脱毛の部を強める処置をしている。
脱毛の出来た場所によって、背中の知熱灸をすえる場所も変わってくる。今回の患者の場合は2箇所の脱毛であるから、背中で脱毛に関係のある2箇所に知熱灸をすえた。
正確に当たると見違えるように、脱毛の部位が変化してくる。つるつるだった皮膚に産毛がかすかに生えてくる。
週に2回の治療で、3回目にはもうはっきりとした産毛がしっかりと密生しているのがわかる。こうなったらしめたものだ。後は来るたびに背中の同じところに知熱灸をすえるとよくなる。
この患者さんの場合、週2回の治療で5回治療した。産毛が生え揃ったところで、後は伸びるだろうと言うことで治療を終わった。
治療
本治法
脾腎相克 左霊道、左商丘、右復溜、右経渠に知熱灸をした。
邪の処理 左支正、左豊隆、右飛陽、右偏歴に鍼をする。
標治法 ぎっくり腰の肝実があったので、背中の5-1Kに鍼灸をする。
円形脱毛には
頭右3-3の部に脱毛あり、背中の左3-3の部に知熱灸をする。
頭左2-2の部に脱毛あり、背中の右2-2の部に知熱灸をする。