奇経治療 太衝――通里 2008.06.19
奇経治療 太衝――通里
* 太衝――通里は頭の病、全般に効きます。片頭痛、頭の痺れ感、頭のかゆみ、頭の違和感、など頭の病であれば何でも効きます。
* 頭は手の甲、足の甲と密接な関連をしています。
* 足の甲、手の甲などの痛み、痺れ、違和感なども、この奇経が適応します。
* 但し、頭や手足の甲、1部分でなく、片側全体とか、左右の頭全体に反応が出ているときは奇経治療の適応ですからやってください。* 病気が激しくなると、1部分の経絡から病があふれ出して、頭全体に広がります。これが奇経病症で奇経治療が効果を発揮します。
* 右太衝に反応が出ているときには左通里が相方となります。
* 左右どちらの太衝を使うかについては提鍼で反応を確かめてから決めてください。
* 太衝穴の取穴法
部位 第1・第2中足骨接合部のやや前、拇指より動脈手に応ずるにあり。
取り方 第1・第2中足骨接合部のやや前に脈動を触れるが拇指よりに取る。
右上の写真を参照 写真はクリックすると大きくなります。
* 通里穴の取穴法
部位 陰郄穴の上方5分にあり
取り方 尺骨茎状突起の橈側の際に陰郄穴を取り、その上方で屈筋腱の尺側縁に取る。右下の写真を参照
臨床例
91歳、女性、若いころから左頭が痛くなる。痛くなったら少しもんでやると楽になるのだが、毎日痛くなるので困っている。
この女性を診察すると左頭全体に虚の反応が出ていた。奇経反応を調べてみると右太衝――左通里に虚の反応が出ていた。知熱灸で7壮づつ施灸した。
施灸後、左頭の反応を調べてみると虚の反応がとれている。左頭の痛みはどうですかと聞くと、今は全く痛みはなくなっていますという。
頭痛の場合は、実痛の場合もあるので、虚、実、の判定をしっかりやってから、虚の場合は知熱灸を、実の場合は鍼をすることが大切です。