うつ病で来院している患者さんが、中学3年生になる息子の皮膚炎がひどくて困っているのですけど治りますかね、と相談を受けた。付いて来ているというから見せてもらうと、なるほど、顔面がぼこぼこに腫れている。
子供とは思えないびっくりするほどの形相である。鍼灸治療を施すと共に食事療法が根本的に一番大切なことを説明した。
アトピー性皮膚炎の原因
油で調理した食べ物、肉、卵、牛乳、バター、マーガリンなどが食生活の中で多くなりすぎると肝臓に負担が掛かります。うどんなど腹いっぱい食べても2~3時間もすればお腹がすいてきます。
ところが脂っこい食事を腹いっぱい食べると5~6時間もかかって食事は消化されます。夜11時に食事を終わって就寝したとすると食物が消化されて内臓が休めるのは6時間後の、朝の5時となります。朝の5時まで残業させられているのです。朝の食事が7時だとすると、内臓は2時間の睡眠の後、再び活動を開始することになります。
このような生活が続くと内臓は怒り出します。「こんなこと毎日毎日やっていられるか!」肝臓はとくに怒りっぽい内臓で、いろいろな症状として信号を発信します。その一つがアトピー性皮膚炎です。肝臓は毒素を解毒する役目があります。ところがあまりにも仕事が多すぎてもてあますと、皮膚表面に毒素を排出してしまうのです。これがアトピー性皮膚炎の原因です。
治療
この患者さんの場合、食事内容を改めることが一番大切なことを母親にわかりやすく説明した。この食事内容を実行すれば必ずアトピー性皮膚炎は治りますよ、といって実行させた。
2ヵ月後、息子のアトピー性皮膚炎はきれいになくなってしまった。母親は喜んでずーっとこの食生活を続けていこうと思った。ところが父親から文句が出た。95キロも体重のある父親は肉が大好きで、肉なしでは生活できないというほどの肉好きである。
その父親が息子のために2ヶ月も肉なしの生活を我慢してきたのである。息子のアトピーが治った今、「もうそろそろ肉を食べさせてくれー」と悲痛な叫びを上げたのだった。
母親もこれには抵抗できなくて、翌日からもとの肉生活に戻った。息子の弁当にも肉をたっぷり入れた。
その日の午後、息子は顔が痒くなり始め、午後からはまったく勉強が出来なくなるほどの顔のかゆみに悩まされた。息子は家に帰ってくるなり、「もう肉はやめてくれ、肉を食べていたら高校受験も出来なくなるよ」
かわいい息子の言葉に両親も今度こそ肉、脂物の食生活から縁を切った。その後、息子のアトピー性皮膚炎は出てこなくなった。
ここで、うれしい副産物が2つも出てきたのだ。1つはうつ病だった母親の病状がすっかり良くなって、健康な人とまったく同じになった。2つ目は父親の体重が95キロから84キロに減ったことだ。
毎日腹いっぱい食べて減量をした覚えはないのに少しずつ減ってきて今では84キロになったと喜んでいる。
現在の、肉、脂物の生活がどれほど健康に害を与えているか。それを実証した実例であった。
※臨時休診日はお知らせをご覧ください。
[施術時間]
丸亀本院: AM8:30~12:00/PM2:00~7:00
高松院: AM9:00~12:00/PM2:00~7:00