東洋医学が全体を診て病気を治療するということはよく耳にすることです。ではどのように身体を診ているのでしょうか? 人間を木に例えると根っこが頭の中(脳)に当たります。首から体幹が木の幹の部分です。手足が枝になります。そして全身の(内蔵を含めた)皮膚表面が葉っぱの部分であります。病気の症状というのは葉っぱの部分に異常がある場合が多いのです。
大きな木になると葉は何万枚もあります。そして症状(病気)も何万種類あります。
根本を診て治療
東洋医学では身体を12の系統に分類しています。その12の系統が通っている所が木の幹にあたる部分です。葉に症状が出た時、葉を治療するのではなく.12系統のどの系統に異常があるかを調べます。その先端にある葉が病気になったと考えます。そしてその葉に栄養を送っている系統を治療するのです。その系統が元気になると葉は根本からよくなるのです。
臨床例
〇〇さん、女性,85歳、若い頃から乗り物酔いが酷く、頭痛、緑内障、眩暈、吐き気、筋肉の引きつり、腰痛などの持病を持っている。もう40年近くお医者さんに薬を貰っているけど良くならない。このおばあさんの症状は沢山ありますがこの症状は東洋医学で診ると12系統の内、1つの系統の異常から、全てが出て来ているのです。その系統の先端にある葉が異常を起こして悲鳴を上げているのがこの症状です。この1つの系統は専門用語で、肝実というのですが、これが病的に非常に高ぶっている為に身体のバランスが崩れているのです。
治療
鍼灸でこの治療をするとその日、帰る時、車の中で全く吐き気や乗り物酔いの感覚が消えているのを感じてビックリしたそうです。それから10回ほどの治療ですべての症状が改善されています。現在88歳になっていますが、元気で30分ほどの山道を運動代わりに登り降りしています。鍼灸がすっかり気に入って健康管理の為、週に1回は現在でも、必ず通ってきています。
バランスが大切
症状(病気)1つ1つに対応するのではなく,その病気がどの系統に属するか、を探します。そして各系統(全体)と病気の系統とのバランスを調整して身体全体のバランスが正常になるような治療をします。バランスが正常になると身体は病気を積極的に排除する機能が活発になるのです。鍼灸で病気を排除するというよりも、鍼灸は身体のバランスを取り、身体が病気を克服する力を出す、お手伝いをしているのです。身体自体が病気を治すのでその病気が治った時には完全な健康体になっています。
例
ヨットに例をとると、バランスが悪いと全く動きませんが、潮の流れ、風向き、体重のかけ方、舵の取り方、帆の張り方、などすべてのバランスがよくなると、これほど活発に走ってくれるかと思われるほど元気よく向かい風でも、白波を蹴立てて走ります。
人間は本来、健康になろうとする働きが備わっているのですが、何らかの条件でそれが阻害されているから病気になるのです。阻害されている条件を取り除きバランスを取ってやると驚くほど健康に向かって前進するようになります。
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[施術時間]
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