1997年、アメリカでは鍼灸師が1万人いて、1200万人もの人が治療を受けていた。アメリカの鍼ブームは、民間の医療保険会社が鍼の治療費を支払うようになってからである。効率的な医療費削減を追求する保険会社がそうするのは、そこに企業メリットがあるからだ。
エイズ患者の免疫力が増す
「保険会社は、保険料を払った人が病気にならない方が良いので、常にその方法を探している。保険会社が鍼に関心を持ったきっかけは、エイズだ。エイズ患者に鍼をすると免疫力が増し、延命効果があることが分かった。
鍼に病気の治療効果だけでなく、予防効果もあるなら、クライアントが鍼をすれば保険会社はもうかる。彼らはそういうデータをたくさん持っているのです。
鍼灸治療は経済的
もう一つ、鍼には費用効果もある。現代医学に比べて格段にお金がかからない。アメリカでは医療経済学が発達し、絶えず経済効率が検討にさらされる。シンポジウムでも、ボストン大学の研究者は,手根管症候群という手首の神経障害を例に、鍼治療がいかに安価かを報告した。
病気の実例
「手根管症候群の治療には、現代医学では手術などに8000ドルかかる。鍼だと1100ドルで済み、6900ドル削減できる。この病気の患者は全国で200万人だから、半分を鍼で治せば69億ドル節約になるというわけです。なんと日本で7000億円ですよ」今や連邦政府や州が鍼を公的保険でカバーすることも推奨している。
遅れている日本の取り組み
国民が健やかな生活をする為に鍼を社会政策に取り入れる点では、日本はアメリカに1歩も2歩も後れている。日本の政治家にも鍼治療を受けている人はたくさんいる。自分の体調を整えるだけでなく、医療政策として鍼にも取り組んで欲しいものだ。
松田博公著 「鍼灸の挑戦」から抜粋
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