よく世間で言われている「風邪引きは万病の元」とは、何故このように言われるのでしょうか?
我々鍼灸師も長年、臨床を重ねていくうちに、風邪はあらゆる病気と密接な関係にあることが良く判ってくるようになります。
昔の熟達した鍼灸師はそのことを良く知っていて「風邪引きは万病の元」と言ったのでしょう。
風邪は何万種類もある
風邪引きの元であるウイルスは何万種類もあると言われています。それぞれ性質が異なりますので、出てくる症状もウイルスの性質によって全く違ってきます。
咳、くしゃみ、熱、鼻水、頭痛など風邪引きの症状のあるものだけを風邪引きと一般的には考えられていますが、全く風邪引きの症状のない場合でも風邪を引いている事があるのです。2,3日前から急に症状が出て困っているような場合、風邪を引いていることが多いのです。
風邪の菌は弱い所に来る
風邪を引くと風邪の菌は身体の弱い所を狙って入ってきますから、その人の弱い所がやられます。と言うことは、身体の弱い所なら何処でも病気になります。
又、何日かすると風邪引きが治り、身体は正常になるのですが弱い所を風邪の菌に狙い撃ちされ、病気になった部分だけが何ヶ月も治らなくて後を引く病気になることがよくあります。
この前来た患者さんは3ヶ月前に風邪を引いて、その同じ時期に寝違いで首が回らなくなった。風邪はとっくに治ったが、首の痛みはどうしても取れないと言って治療に来た患者さんが居ました。
このような風邪の後遺症は大変多く、この後遺症が長年、居座っているうちに別の病気になって出てくることもあります。
慢性病となって現れる
坐骨神経痛がこれです。風邪を引いている時、重いものを持った瞬間、ぎっくり腰になることはよくあります。このぎっくり腰はしばらくは痛くて起き上がるにも歩くにも難儀することはよくあります。
しばらくするとなんとか少しずつ動けるようになり、やがて普通に仕事が出来るようになります。ところがこのぎっくり腰はしっかりと、腰に残っているのです。5年から10年ぐらいしてから、坐骨神経痛となって現れてきます。
原因は風邪から
胃腸病の多くも風邪が原因のことがあります。胃酸過多という病気で、脂っこいものや、食べ過ぎをすると、すぐ胸焼けして困る人が居ます。
このような胃の症状は、風邪を引いた時に、風邪の菌が背中の背骨(胸椎6,7,8,9番)横にコリ(硬結、圧痛)を作りますこのコリが曲者です、背骨から出ている神経が肋骨の間を通って腹の方へ来て、胃に分布しています。この神経を背骨の際で作ったコリが刺激して、食事した時にでる胃酸を必要以上に分布させる働きをさせます。そのため必要以上の胃酸が出やすくなるので胸焼けして困るのです。このようなコリに対しては鍼が最も効率よく解消してくれます。
臓器の病気もある
ウイルス性肝炎や腎炎、肺炎、など、重要な臓器にもどんどん入り込んできます。又、これが元で、肝硬変や、肝臓癌などと発展していく場合もあります。このように考えてきますと、風邪引きは万病の元と言われることも頷けたのではないかと思います。
健康な身体なら心配ない
風邪のウイルスは年中、私達の身辺にいくらでも居るのです。私達の身体が健康であれば入って来てもすぐ跳ね返してしまいます。健康な身体を持っていれば何も心配はありません。その為には普段から、運動や食事に気をつけて健康になりましょう。
※臨時休診日はお知らせをご覧ください。
[施術時間]
丸亀本院: AM8:30~12:00/PM2:00~7:00
高松院: AM9:00~12:00/PM2:00~7:00