肉食は悪いか?
ベジタリアンがよく説くのは、「日本人は腸が長く、肉食には向いていない、肉などを食べると、動物性たんぱく質が腸内に残り、毒素が発生して血液を汚し、健康を損ねる」という事だ。
確かに昔の日本人は肉類をあまり食べていなかった。しかし、動物性たんぱく質となると、魚だって動物性のたんぱく質である。魚は良くて肉はダメという定説は成り立たない。
肉類を食べ過ぎても健康に悪いし、野菜だけ食べても健康に良いはずはない。そもそも、タンパク質は野菜だけから取ることは出来ないからだ。
肉をはじめとした動物性たんぱく質を取らなければ、一気に身体が痩せてしまい、抵抗力が落ち、結果的に短命になってしまう。もともと、人間が雑食なのも「野菜と肉の栄養バランスが大切」という造りになっているからだ。
ではどうして戦後、欧米化が進み肉食を中心に脂っこい食事が多くなるにつれて癌の増加が始まったのか。アメリカでは1930年頃から癌の増加が始まり1990年ごろがピークでアメリカの国家予算を食いつぶすほどの脅威であった。
1930年以前は癌という病気が稀にしかなかったと言われている。検査技術も発達していなかった時代であるから定かではない。しかし、1930年代と1990年代の癌患者数を比べてみると10倍近くも開きがある。
昔から肉食中心のアメリカで急激に癌患者数が増えるという事は、肉だけが悪者ではないという証拠になる。近代文明の何かが肉を中心とした脂っこい食事に反応して、癌を増加させたと考えられる。
日本では1975年代から癌患者が増え始め、現在でも右肩上がりで癌患者は増えている。1975年代は高度経済発展の波に乗り、国民の食生活が豊かになってきた時代と一致する。
肉、牛乳、卵、など自由にたらふく食べられる時代に、癌患者がどっと増え始めたため、食の欧米化が癌患者を増やしたという事になり、肉類を癌の発症する元凶と決めつけたのではないかと思われる。
アメリカでも肉類を癌の元凶と決めつけ、マクガバンレポートでは野菜中心の食生活を推奨している。確かにマクガバンレポートが功を奏して1990年代以降、アメリカでは癌の死亡者数が年々減少している。
ただ、マクガバンレポートでは肉だけではなく、抗癌剤に対して【抗癌剤は百害あって1利なし】と厳しく指摘、医学界に猛反省を促している。その為、癌の死亡者は年々減少している。
アメリカではベジタリアンが多く、その人達の癌死亡率は確かに低い。ただそれだけで肉が癌になる元凶と断定することは出来ない。
ここで問題になるのが、農薬、食品添加物、化学薬品、精製食品、であると考えられる。なぜかというと1975年頃から、化学、経済、共に発展してきた。それに伴って食生活も美食になり、肉、脂っこい食事が日常となった。
農薬、食品添加物、化学薬品、精製食品、などによって大腸内部の善玉菌と悪玉菌の比率が悪くなってきたのではないかと思われる。善玉菌が減少して腸内環境が悪くなっている所に、肉や脂っこい食事が大量に入り込んでくると、たちまち悪玉菌の餌となり、免疫力の低下、毒素の生成が進むと考えられる。
すなわち、有害添加物に肉が反応したところに問題があると思うのである。抗癌剤も有害添加物の中に入っている。又、ベジタリアンが野菜中心の食生活をしていると、野菜の食物繊維によって善玉菌が増えてくる。ベジタリアンの癌死亡率が低いのは肉を食べない為ではなく、野菜による善玉菌の増加が原因と思われる。
上記の事から、肉食だけを悪者にする考え方は間違っている。肉が悪者ならアメリカではカウボーイの時代から癌が蔓延していなければならない。有害な添加物による腸内環境の悪さが、肉や脂っこい食品に反応したと思われる。
日本でも90歳以上で毎日、肉を食べている元気な老人の方がおられる。肉は大切なたんぱく質の宝庫であり、無くてはならない食品だ。ただ、便秘をしやすい人の場合は要注意になる。
体内の温度は37度以上あり、肉類が大腸内部に停滞すると、腐敗する可能性がある。3日以上1週間ぐらいは平気で便秘する人の場合、肉を食べることをお勧めできない。
当院で作成した、食品優劣ランク表に沿って、優秀な食品を選んで食生活をすれば、善玉菌が優勢となり、便秘は必ず解消することでしょう。便秘になるという事は有害な食品添加物の多い食生活で、悪玉菌優勢の腸内環境が災いしているからである。
肉食は良い腸内環境の持ち主にとっては、とても良い食品となる。肉食もその人の腸内環境によって良くもなり、悪くもなる食品だ。常日頃から腸内環境を良くする食生活を心掛ける事が大切になる。
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