急増する精神疾患
うつ病、統合失調症、認知症などの精神疾患が年々急激に増えている。がん、糖尿病、脳卒中、心臓病、の4大疾病の中に精神疾患を加えて5大疾病とすることが厚生労働省から発表された。
1999年に200万人だった精神疾病が毎年15万人づつ増え、今や350万人にもなろうとしている。
このような急増はなぜ起きたのだろうか? 昔は精神疾患と言えば世間体が悪いと言って、なるべく隠していたのだが、今は本人も家族もおかしいと思えば進んで精神内科を受診する。
お医者さんもなかなか治らない患者さんがいると、精神内科をあっせんする。精神内科では症状を緩和する薬と、自殺などの極端な行動に走らないように、精神を鈍らせる薬を処方する。
根本的に治す薬ではないので、何時までたっても良くならない。そのうえ新しい患者が入ってくる。これでは患者が増えるのも当たり前である。
鍼灸院にくる、うつ病の患者さんをよく観察していると、病院に行ってもなかなか良くならないので、今では薬をまったく飲んでいません。と言っている患者さんの治りは、すばらしく良い経過をたどっている。
薬をどうしてもやめられない患者さんの場合は、治りが遅くなる。とくに精神を鈍らせる薬を与えられている患者さんの場合、頭の機能が低下しているようである。薬をやめることが最重要課題となる。
しかし、眠れない、イライラする、などじっとしていることも出来ない。患者さんから急に薬を取り上げることは危険がある。麻薬と同じで薬を辞めると、2~3ヶ月は大変苦しい思いをする。
薬は飲んでいる分量から、絶対に増やさない。調子がよくなったらお医者さんと相談して減らしてもらう。いろいろな症状が次から次に出てくるのがうつ病の特徴であるが、できるだけ我慢する。
うつ病というのは気の少なくなった病である。気というのは、元気の気、気力の気、気持ちの気、である。人間の体の中には気が充満している。
気というのは夜中に眠っているとき、大腸で生産される。朝になると気が充満しているので元気で仕事ができる。
1日仕事をして、夜になると気を全部使い果たしているものだから、眠くて仕方がない。そして寝ている間に気が充満するようになっている。
ところが、うつの人は、間食、過食、アルコール、タバコ、過労、生活環境、などの影響で、大腸の中で十分、気が生産されない状態にあります。
そのため気が不足してきます。気が不足してくると、やる気がない、ダルイ、不安、心臓がドキドキする、眠れない、などうつの症状が出て来ます。
お灸は、気を補う効果があります。的確なつぼにお灸をすえると、上記のようないろいろな症状が1次的に改善されます。このお灸を繰り返すことによって2カ月~3ヶ月で精神が安定してきます。
その人の薬を飲んだ年月や、うつの度合いによって個人差はありますが、お灸をすえることによって表情が明るくなり、動作も活発になってきます。
うつの治療に当たっては、最初の2カ月~3ヶ月は鍼治療はしません。もっぱら気を補うことに専念します。
気が十分満たされてくると、鍼をしても大丈夫という反応が出て来ます。その反応が出るまではお灸だけの治療をします。
鍼をしてもよいという反応が出たら、うつ病も全快する可能性が出たことになります。
うつ病の人は、気がころころ変わるので、なだめすかしてここまで持ってくることが大変なのですが、ここまで来ると気持ちが安定して全快に向かいます。
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