逆子の治し方
健康な妊婦には東洋医学的に見て独特な身体のバランスがあります。この健康な妊婦に対して、逆子になった妊婦は身体の一部にバランスが大きく崩れている特徴があります。
このバランスの崩れを正常に戻してやると、逆子は自然に正常な位置に復元します。次に正常な妊婦のバランスはどのようなものかを記します。
正常な妊婦
1、 心包経の神闝(へそ) 胎児はへその緒で母体と繋がっています。その関係で母体の神闕(へそ)が一番に重要になるのです。
2、 脾経の三陰交、三陰交という穴は足の内くるぶしの上、13センチくらいの処にある穴ですが、ここは子宮と直結している穴で胎児の健康を守る上で2番目に重要な穴です。
3、 腎経の石門穴と四満穴、この穴は下腹部にあって卵巣や子宮の健康を守る上で3番目に重要な穴です。
4、 膀胱経の太椎穴、この穴は体全体の健康を守る上で4番目に重要な穴です。
正常な妊婦さんの場合、上記のように1から4のような順番で、重要度が分かれています。
ところが逆子の妊婦さんの場合、4番が1番上に来ています。4,1,2,3、という順番で重要度が変るという、逆子の妊婦さん独特の特徴があります。
これを治療で正常な1,2,3,4、の順番に変えてやると逆子は正常な位置に戻るのです。
4番は膀胱経の太椎穴でしたが、逆子の治療に使うのは同じ膀胱経でも至陰穴を使います。この至陰穴は膀胱経の弱りを元気にする働きがあります。
膀胱経が何らかの条件で弱ってくると逆子になるのです。膀胱経というのは背中や腰の中心部を通っている経絡(幹線道路のようなもの)で人間の健康に大きく関係しています。
次に臨床例を記します。
妊婦、31歳、妊娠8カ月。
逆子、腹の張りがある。心配になりホームページを見て来院する。逆子については病院では逆子体操を教えてくれただけで、ほとんど何の処置もしてくれない。
診察してみると典型的な逆子独特のバランスに崩れていた。すなわち上記のように4番の膀胱経が大きく弱っており、次に1,2,3、と弱り方が続いていた。
治療目的は膀胱経の至陰穴に知熱灸をして、膀胱経を強めてやることにより正常な妊婦のバランスに戻すことにある。
治療
本治法 脾腎相克 右から心包経の太陵、脾経の太白、左から腎経の太谿、
肺経の太淵、以上の穴に知熱灸を3壮づつすえる。
標治法 膀胱経の至陰穴に7壮づつ知熱灸をすえる。
つぎに神闕穴、三陰交穴、石門穴、四満穴、にも知熱灸をすえた。
3日置いて、2回目の治療に来た。診察してみると正常な妊婦のバランスに戻っている。逆子は正常な位置に戻っている可能性がありますよ。と云うと、1回目の治療から帰ってから、胎児がいつもより動きが活発でした。ひょっとしたら正常に戻っているのかなあと思っていました。
さっそく午後からお医者さんに行って診てもらったところ、胎児は正常に戻っていた。3回目の治療の時にそのような報告があった。
この臨床例では逆子が1回の治療で正常に戻ったのだが、すべての逆子がこのように1回の治療でよくなるわけではない。時々最後まで治らない時もある。しかし、最近では8割くらいの確率で成功している。
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