女性 28歳 1児の母 産後うつ
この女性は過去にも、うつ病にかかったことがある。21歳の時から5年間、うつ病に悩まされた。ひどい時には自殺を考えたこともある。そんな彼女に、突然父親が脳出血で死んでしまうという、アクシデントが起こった。
経済的にも治療代のことや葬式のことで忙しく、うつ病を考えている暇もなくなった。そのため薬も辞め、毎日忙しい日を過ごしていた。ふと気がつくとうつ病はすっかり治っていたのである。
その後、結婚してから1児の母となり、3カ月ほど過ぎた頃からうつ病が出てきた。眠れない、頭が痛い、食欲がない、ドキドキ、不安、全身がだるい、などの症状に悩まされた。病院で薬を貰い、飲んでいたが病状はますますひどくなり、思い余って鍼灸院に来たという。
薬を辞めるように勧めたが、あまり良い返事をしない。仕方なく、薬を飲みながら、鍼灸治療をしていたがあまり良い成績が出てこない。うつ病の薬3種類と睡眠薬を飲んでいた。よく話し合ってうつ病の薬は1種類だけにしてもらった。
鍼灸治療をしても、薬を毎日飲むと、肝臓にその負担がかかり、肝臓が過敏になってしまうのである。そのため体にいろいろな影響が出てくる。いくら鍼灸治療をしても治療成績は一向に良くならない。
1種類に減らした薬だが、この薬も辞めてもらわなければ治療できないと強く迫った。1日に3錠飲んでいたのだが、1錠減らすことにした。あまり強く言っても患者さんが困るだけなので、これで様子を見ながら鍼灸治療をすることにした。
1週間経過したときに、患者さん自ら、後の2錠を辞めてくれた。へ― どうして辞める気になったの? 3錠を2錠に減らしたとき、翌朝少し気分が良くなったのです。これなら後の2錠も辞めたほうがもっと気分が良くなるかもしれないと思って辞めました。
なんだか薬を辞めたほうが翌朝の目覚めや気分が良くて、どうしてあんな薬を大切に飲んでいたのだろう。今では不思議に思います。よかったねー、うちの鍼灸院でうつ病が治った患者さんは、全員が薬を素直に辞めてくれた人たちだけですよ。あなたも近いうちに完全に治ります。
こ の患者さんの場合、自分から積極的に薬を辞めてくれたので、その後の鍼灸治療も効果がどんどん上がってきた。身体のダルサ、食欲不振、眠れない、ドキド キ、不安、イライラ、頭痛、などすべての症状が改善されてきた。1番良かったことは赤ちゃんの面倒を1日中見ることが出来るようになったことだ。
も うすっかり良くなったころ、旦那さんの実家から赤ちゃんを連れて泊りに来ないかと、誘いがあった。治ったとはいえまだ日も浅いので行きたくなかったが、ぜ ひ来てくれと強く言われて、やむなく赤ちゃんを連れて泊りに行った。その夜、旦那のお父さんから、うつ病なんて言うのは精神的な気持ちの持ち方が弱いから 出てくるのだ。シッカリしていたらなるものではないと、強く言われた。
そ の夜からドキドキ不安が出てきた。夜も寝られなくなってきた。1週間泊まるという約束で来ているので、帰ることも出来ない。次の日から睡眠薬と精神安定剤 の一番弱いのを1錠飲んだ。それでもドキドキ不安、不眠が治らない。1週間がつらくて長くて、やっとの思いで1週間を過ごし、やれやれと疲れきって帰って きた。
実 家に帰ったら薬も飲まずに、布団の中に倒れこみ、朝まで何も知らずに寝てしまった。翌朝すっきりと眼が覚めて何でもなかったかのように元気になった。精神 安定剤も睡眠薬も、必要なくなった。鍼灸院に治療に来て、環境が変わったら、まだ駄目でした。心配することはないよ。薬を飲まずに定期的に鍼灸治療をして いれば、必ず良くなります。
現在は薬も飲まずにとても元気に過ごしている。鍼灸治療は1週間に2回の割で継続している。
ある日、先生相談がありますと云う。なんですか?治療代が高いので続かなくなりました。以前薬をやめて、全快した経験があるので、今回も頑張って、薬と鍼 灸治療もなしで頑張ってみようと思います。もしなにかありましたらまた、相談に来ますので今回で治療を終了させてください。
最後まで見届けたかったのに残念だが、患者さんの強い申し出で、やむなく治療は終了となった。
その後、彼女からの連絡はない。
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[施術時間]
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