3歳、男の子
近頃、何を思うのか、いきなり走り出したかと思うと、突然、友達にかみつくようになった。友達と喧嘩をするときはよくかみついていたが、最近は、何でもないときに、いきなりかみつく。
お母さん、どうしてよいやらわけがわからない。謝ってばかりいた。お医者さんに聞いてもわからない。そんな時、インターネットで調べていて、東洋医学に目がとまった。何とかなるかもわからないとかすかな望みをかけてやってきた。
いきなりかみつくと聞いた時,はて、どのように治療したらよいものやら、一瞬戸惑った。しかし、このような初めての症例が来ると、がぜんファイトが出てくる。今までに出会ったことのない症例の患者さんが来ると、探偵が犯人を捜し出すためにいろいろ推理を立て、追跡するようなスリルがある。
どのような症状であっても、症状があるということは、必ず原因がある。
その原因を探し出すのに、東洋医学では体のバランスの崩れをまず検査する。
原因の患部は、体のバランスの崩れている、最も弱っているところか、または最も過敏になっているところである。
正経12脈、奇経8脈と言って体の中には、20の系統がある。その系統のどこが弱って、どこが過敏になっているのか、診察することによって、その症状の患部が、どの系統に属しているのか見当がつく。
どの系統の病かということを割り出して、その系統の中から患部を探し出すのだ。東洋医学では診察の技術が最も大切になる。ここで病状に対する体のバランスの崩れをしっかりと把握すれば、もう治療の90%は成功したようなものだ。
男の子は、肝臓系統が異常に過敏になっている状態であった。いわゆる子供の肝の虫といわれる病気で、症状が、かみつきとして現れていたのである。肝の虫は、夜泣き、キー、キー声を上げる、怒りっぽくなる。物を投げつける。などの症状として母親を困らせる。
肝臓系統がなぜ過敏になるのか、食品添加物、食生活の偏り、農薬、食べ過ぎ、薬品、などに汚染されると肝臓がそれらの毒素を解毒する働きをします。その働きが過重になると、肝臓系統は異常に興奮して過敏になるのです。
現代は肝臓系統の過敏性病状が大人も子供もむしばんでいて、多くの人が何らかの形で苦しんでいます。化学薬品などをふんだんに使って、人間だけに都合よ く、虫や、ウイルス、雑草、細菌など周りの物をことごとく抹消する生活が当たり前になっています。このような考え方が回りまわって人間に跳ね返ってきてい ると思います。
男の子は肝臓系統の過敏性を取り除く鍼をした。4回の治療で完全にその症状はなくなったが、自分より力の強い相手と喧嘩したときだけ、かみつくことがあるという。肝臓系統の過敏性が診察の中で完全になくなっていることを確認して治療を終了した。
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