27歳 女性
10日前から生理が始まって、普通なら5,6日で終わるのが、今回はますます多くなって最近では鮮血が大量に出ている。食欲はないし、頭はがんがんするし、ひどい肩こりもある。身体に力が入らなくてふらふらする。
治療
診察してみると、肝臓系統が異常興奮している。すい臓系統は弱りきっている。
こんなに内臓系統のバランスが異常に崩れているのは珍しい、何かありましたかと聞いてみた。1ヶ月前に胃が痛くなりお医者さんに診てもらったところ、胃がただれて胃潰瘍になっていると言われた。薬を2週間分くれてそれを飲んだら良くなった。その薬はきつい薬なのであまり飲みたくなかった。2週間が過ぎて胃も良くなったので、もう薬を止めてよいですかとお医者さんに尋ねると、胃潰瘍はこの薬を止めたら又出てくるから、もっと続けてくださいと言われ、又2週間分の薬をもらって帰ってきた。それを飲んでいるうちに今回のような状態になったという。
薬というのは、多少の差はあるがほとんどの薬は毒性がある。毒をもって毒を制するのたとえがあるように、毒もまた薬なのです。この毒素を肝臓は解毒する働きがあります。
きつい薬の場合、毒素も多いので、肝臓は必死になって解毒して、身体に悪影響がないように働きます。ところが解毒しても、毎日薬が入ってくると、肝臓は怒りだします。
異常興奮するのです。肝臓が異常興奮すると、頭痛、めまい、吐き気、異常な肩こり、イライラ、などの症状が起きてきます。
肝臓系統は腹が立ってくると、すい臓系統をいじめます。すい臓系統が弱ってくると、食欲不振、下血、倦怠感、などの症状が現れてきます。現在の症状すべては、さかのぼってみると薬の投与期間が長すぎた結果かと思われます。
残りの薬は、もう絶対飲んではいけないと指示した。次に出血を止める治療点があります。
すい臓系統を強めるつぼで、足の下腿ない側に漏谷穴(もれるたにと書いて出血が止まらないときの特攻穴です)ここに知熱灸をして補った。
肝臓系統は異常興奮しているのでそれを鎮めるために、足に中封穴というつぼが有ります。
中封穴というのは、肝臓が弱ったときにも、異常興奮したときにも使うことのできる便利なつぼです。弱ったときには知熱灸をして補ってやると元気になります。異常興奮しているときには、鍼をしてなだめてやります。肝臓系統を自由自在にコントロール出来るすばらしいつぼなのです。この中封穴に接触鍼という、鍼先を当てるだけという簡単な鍼治療をした。このような治療を4回したところ、生理出欠過多はぴたりと止まった。頭痛、肩こり、倦怠感、食欲不振などすべての症状がなくなった。4回目にきたときには「昨日は食欲が出て2杯もご飯を食べました。」と嬉しそうに話した。
考察
薬というものは、基本的にはいつまでも飲むものではない。症状が治まったら止めることを考えるのが本当の薬の飲み方だと思う。多くの患者さんがいつまでも薬を処方されて、まじめに飲んでいる人がたくさんいます。いつまで経っても病気が治らなくて、病気も慢性的になって、次々病状が増えてゆく、嘆かわしい現状があります。
お医者さんを選ぶとき、なるべく薬を少なめにくれる、病気が治ったらすぐに薬を止める方向に持っていくお医者さん、こんなお医者さんが名医だと思います。
儲けを考えないで、患者さんの身体を一番に考えるとき、必要以上の治療薬は出さないようになるのです。
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[施術時間]
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