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臨床例

指にできた湿疹 2016.11.04

 

指にできた湿疹

 

 

臨床例 38歳 女性  丸亀店  高松店

 

 先生、指に湿疹が出来て困っています。見てください、こんなに赤く腫れて、小さな湿疹も出来ているでしょう、これが痛いのです。水を使うとしみるし、いつもヒリヒリと痛くて困っています。

 

 軟膏や馬油も塗ってみたのですが、余計痛みが強くなって、汁まで出てきました。もう1週間になります、そのうち治るだろうと思っていたのですが、ますます酷くなるので治療に来ました。

 

 

診察

 

 

 よく見ると右手の薬指付け根で、小指との間が赤く腫れて小さな湿疹がぷつぷつと出来ている、湿疹の上からは汁が出て、いかにも痛そうである。提鍼でそっと患部に触れて実の反応か、虚の反応かを調べようとしたところ、痛い痛いと言うので患部には触れない。

 

 仕方がないので手背が虚なのか実なのかを調べてみると、虚の反応が強く出た。この湿疹の痛みは強いが虚の反応であると確信した。右手の患部と、まったく同じ左手薬指の場所で反応を診ると、右手よりも虚の反応が強い。

 

 こういう時は反対側の患部と同じ位置に取穴して治療すると良い。こういう治療法は鍼灸治療によくあることだ。

 

 

治療

 

 

 反対側の、左薬指付け根、小指との間に印を付けて、そこに虚の反応が強く出ているのを提鍼で確認した。虚反応であるから補うために、知熱灸を据えた。右患部と同じくらいの範囲、(3センチの広さ)全体に虚の反応が無くなるまで据えた。

 

 治療が終わると、今まで汁が出ていた右患部から、汁が出ていないのが見て取れた。患者さんも今までヒリヒリしていた痛みが無くなっていますとにっこり笑った。

 

 お風呂に入ったり、洗い物をするときに擦れるので、1回の治療では完治しなかったが、続けて3回治療したところ、患部が乾いてきた。かさぶたが出来て、もう痛くはないという。赤身はすっかり引いて、かさぶた以外は白い指に戻っていた。こうなったらもう時間の問題で、放っておいても治ってしまう。

 

 なぜ、反対側治療なのか?患部も反対側も虚の反応である。しかも患部より反対側の方が虚の反応が強かった。虚であるから左右共に弱っている状態である。補って、弱っている部分を持ち上げるためには、反対側から、てこの原理で補うと、何倍もの効果で治癒できるものと考えられる。

 

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