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臨床例

 

肘の痛み  丸亀店  高松店

 

臨床例 男性 48歳 右肘の痛み。

 

 右肘が重だるく痛み、夜中でもウズウズと痛みが襲ってくる。まっすぐに伸ばしていると、特に痛みが酷くなる。その為、少し肘を曲げて寝ている。昼間は重い鉛でも、肘にくっ付けているような感じがする。

 

 診察

 

 右ひじのどこが痛むのかを聞いてみると、肘関節より、やや手首寄りで外側の中央部分が痛いという。まず、この痛みが虚痛なのか、実痛なのかを知るため提鍼の4粒の方を当ててみると、脈が打ってくる。実の方では打ってこない。

 

 これでまず、この痛みは虚痛である事が分かった。次に、痛みは必ず指先に生体電流の変化となって現れているので、右の指先で虚の反応が現れているところを探すと右手背中指の先端に絡脈の反応として出ていた。

 

 これによって、1-3L【1は指の先端、3は中指、Lは絡脈】が治療点となる。ここからどこの1-3Lかを探す。右手背からウエーブで【右手背-左前腕―右上腕と左右に飛び曲がるのでウエーブという】右手背、左前腕、右上腕、を比較脈診で何処が一番弱いかを探してみた。左前腕が虚と出た。

 

 右肘の痛みに対して、治療点は左前腕1-3Lという事になる。

 

治療

 

 左前腕1-3Lに印をつけて、知熱灸を3クール施術した。施術後、虚の反応が取れたか提鍼で確認すると、まだ虚の反応が残っていたので知熱灸を2クール追加した。これによって虚の反応は無くなった。

 

 虚の反応が無くなったので、右肘の痛みを、患者さんに確認してもらうと、まったく痛みが無くなっているという。肘の曲げ伸ばしや、重ダルイ自発痛も、感じなくなっていた。

 

考察

 

 右の肘痛に対して、左前腕に治療点を持ってくることは、鍼灸治療ではよくある事だが、その治療原理は良く分かっていない。そこを推理すると、右の疾患に対して左が補佐して補っているものと思われる。

 

 そこで左を補うことによって、左の力が強くなり、右を補佐する為の充分な力が出来るのではないかと思われる。これにより右肘に充分な生体電流が流れると、右肘の細胞が復活する機能が活発になり、患部の治癒につながるのではないだろうか。

 

 それでは、そんな面倒なことをせずに、直接患部に知熱灸を据えれば良いではないかという事になる。ところがやってみればわかる事だが、患部への治療は思ったような効果が出ないものだ。

 

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