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臨床例

赤子の夜泣き  丸亀店  高松店

 

 臨床例 男の子 2か月半 

 

夜泣き、嘔吐、眉間にしわが寄る、顔色が青い、甲高い泣き声、が酷い。

 

診察 

 

 症状は上記のような症状であった。さて、このような症状の男の子、わずか2か月半である。もちろん言葉もしゃべれず、脈診もほとんど出来ない。それでも治療をする必要がある。

 

 こんな場合、お母さんが訴える症状を一番、重要視する。まず、夜泣き、顔色が青い、眉間にしわが寄る、甲高い泣き声、これらの症状から肝実があると想像する。

 

 手足をくねくねと動かし、脈診を妨害する。そのわずかな隙を狙って、太衝穴に提鍼を当て、肝実の脈があるかどうかを、ほんの一瞬で見分ける。もう脈診をするというより、なかば感で察知するようなものだ。

 

 次に嘔吐であるが、嘔吐の場合、一番よく使う穴は背5-1Kの鍼灸である。ここは、つわり、胸やけ、嘔吐、胃酸過多、逆流性胃炎、胃の不快感、などのとき真っ先に考えるツボである。

 

 背中の5-1Kに印をつけ、提鍼を当て、実と虚の脈がふれるかどうかを診る。これも脈診をするというより、くねくね動かす脈位のわずかな隙をついて、ほとんど感で脈診をしている。

 

 ただ,いえることは長年の経験により、それらのツボに施術をすることが、およそ90%の確率で当たっているという事だ。特効穴も使いこなしていると、このような時、頼りになるものである。

 

治療

 

 当院の良い所は、鍼を刺さないで、ツボの上を鍼先で、なでる、だけである為、どんなに動いていてもほんの一瞬を付いて鍼先でなでる。

 

 左右の太衝穴を30回ほど、さっさっとなでる。肝実が取れたかどうかを、太衝穴に提鍼を当て、脈診で確認する。

 

 次に、背の5-1Kに印をつける。ここは実と虚の反応がある所であるから、鍼先で30回ほどさっさっとなで、実の反応が取れたのを確認して、知熱灸を据える。鍼も灸も、全く痛く無いので、赤ん坊も安心している。

 

 知熱灸は火のついた棒灸を1,5㌢ほど離して、温めるのだが、ゆっくり3つ数えて、次の場所に移動する。だいたいの感で知熱灸を据えている。本治法は食欲のある場合は肺肝相克で知熱灸を使い、行っている。

 

 赤子の場合、治療効果は驚くほど良くなって出てくる。次に来院した時、お母さんは子供の変化にビックリして、こんなにも変わるものですかねえ。といってすっかり鍼灸の信奉者になってくれる。

 

 3回の治療で、赤ん坊の眉間のしわも無くなり、顔色も良くなって、赤ん坊本来のニコニコとした表情になっていた。

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