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臨床例

年寄りの坐骨神経痛 2017.06.17

 

年寄りの坐骨神経痛

 

臨床例 男性 78歳 年寄りの坐骨神経痛

 

 年を取ると臀部が痛くなり、腰がまっすぐ伸びない。臀部から太腿まで痛くなる。長いこと歩くことが出来ない。朝起きてからが一番痛い。疲れやすく、足の裏にモチでもくっ付けたような腫れぼったい感じがある。

 

診察

 

 このようなお年寄りの坐骨神経痛は腰椎の脊柱管狭窄があり、それと共に鼠蹊部で動脈血、静脈血の流れが悪くなり、臀部や陰部の弱りが出ている為、臀部から大腿部にかけての痛みや、下肢の様々な症状が出てくる。

 

 鼠蹊部の弱りは、下腿陰の弱りとなって現れている。臀部の弱りは下腿陽の弱りとなって現れている。下腿陰のブロックと大腿や足背、その他のブロックと比較してみると良く分かるが、下腿陰や下腿陽のブロックが虚になっているのだ。

 

 その弱りを取り除くには、下腿陰のどこが一番虚しているかを探し、下腿陽の中で一番虚している処とで、裏と表から挟むような知熱灸をしてやると、下腿の陰、陽が補われると同時に、臀部と陰部も補われるのである。

 

治療

 

 下腿陰の中でももっとも弱っている所を探すと、下腿陰4-2Lが虚していた。下腿陽の中でもっとも弱っている所を探すと、下腿陽2-1Lであった。


 ちょうど足首よりは膝の方に上がった所で、表と裏で挟むような感じとなって知熱灸をして補った。これで臀部と陰部は楽になる。

 

 また、朝が痛いという事は、肝経に実の反応がある場合が多い。この場合は太衝穴、を治療点とし、接触鍼をして、肝実の反応を取り除いた。

 

 この治療をすると臀部の痛みはすごく楽になった。しかし、全く完治するわけではない。お年寄りの弱りは年齢と共に弱ってくるので、定期的に治療する必要がある。

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