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臨床例

汗かき 喉、脇の下、鼠頸部 2017.08.04

 

 

汗かき 喉、腋の下、鼠蹊部

 

臨床例 女性 42歳、汗かき 喉、腋の下、鼠蹊部

 

 夏になると、汗かきが酷い。特に喉はいつ触ってもべとっとしている。動き出すとだらだら流れ落ちる。腋の下も汗が酷く、いくら汗をかいても目立たないようなシャツが手放せない。鼠蹊部も汗が流れるのが分かるくらいでている。

 

 診察

 

 場所が散らばっている事、左右に同時に出ている事、汗の出る部位は実と虚の反応がある事、などを考慮して奇経反応として捉えた。奇経で実になりやすい経は合谷-陥谷と考え、提鍼で検査してみると、右合谷―左陥谷に虚と実の反応がはっきりと出ていた。

 

 治療

 

 右合谷-左陥谷に印を付け、接触鍼をして実の反応を取り除いた後、残っている虚の反応に対して知熱灸を虚の反応が無くなるまで据えた。

 

 この治療をした後で、喉に提鍼を当てて検査してみると、実と虚の反応がすっかり取れている。どうですか? 喉の感じはべとっとしていますか? あれっ!! 首のところの汗が引いている。腋の下もさらっとした感じだ。どうして、魔法でも使ったのかしら。と言って喜んだ。

 

考察

 

 胃経の流注は胸から喉に入り、顔面に通っている。又、大腸経も喉を通っている。この関係から合谷(大腸経)-陥谷(胃経)の奇経で喉の汗が無くなったと考えられる。又大腸経は肩から腋の下を巡り喉に入っている。腋の下の汗もこの理屈で解決される。

 

 胃経は足から臀部まで来て、そこからいきなり鼠蹊部に入り、腹の3行線を上に向かって通っている。その関係で鼠蹊部に汗をかくというのもうなずける。


これらのことから、奇経の合谷-陥谷がこの汗かきに大きく関係していたことが考えられる。

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