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臨床例

膝の上と下の痛み 2018.05.10

 

膝の上と下の痛み  

 

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 1か月前にちょっとしたはずみで、右膝が痛くなりまっすぐ歩けない。右膝のお皿の周りと、右膝の裏側が傷む。お皿の周りが痛くて、歩くときに足が持ち上がらない。右膝の裏も痛いので、歩くときに右膝の裏がツッパル感じで歩きにくい。

 

 診察

 右膝お皿の上が痛いというので、提鍼で検査してみると、実と虚の反応が出ていた。そこで、右足背で治療点を検査してみると、右足背拇指陽が実の反応を示している。さらに、拇指陽の何処が一番実かを検査した。

 

 右足背5-5Lに実と虚の反応が鮮明に出ていた。左足背と比べてみると左の方が強い。そこからウエーブで治療点に飛ぶ。左足背、右下腿陽、左大腿陽、右腰、がウエーブのルートですから比較脈診すると左大腿陽に実の反応が有った。治療点は左大腿陽5-5Lという事になる。

 

 左大腿陽5-5Lという場所は、痛む右膝のお皿の周りと、同じ反対側の部位である。これは反対側治療で良くなる疾患であることを確信した。

 

 次に右膝、後ろのツッパリだが、右足背で検査してみると、右足背薬指に実の反応が強い。薬指の中で何処が強いかを検査すると、右の足背5-2Lに実と虚の反応が出ていた。

 

 そこからウエーブで治療点に飛ぶ。右足背、左下腿陽、右大腿陽、左腰、がウエーブのルートですから、その4か所を比較脈診する。左下腿陽が一番実の反応は強かった。治療点は左下腿陽5-2Lということになる。

 

治療

 左大腿陽5-5L、左下腿陽5-2L、に印を付けた。虚と実の反応でしたから、接触鍼で35回ぐらい擦り、実の反応が無くなったのを確認して、残っていた虚の反応に対して、虚の反応が無くなるまで知熱灸を据えた。

 

 患部に提鍼を当て、実と虚の反応がない事を確認した。

立ち上がってもらい、どうですか膝の曲げ伸ばしをして、膝の確認をして下さい。と訪ねると

 

あー!!ほんとだ。
足を上げても痛く無いし、膝の後ろがツッパル感じも無くなっている。だけど先生!膝の内側があるくときに痛い感じがします。

 

 右膝の内側に提鍼を当て検査してみると、お皿のすぐ内側に虚の反応が出ていた。ここは肝経陰の部位に当たる。右足拇指内側を提鍼で確認すると、右足拇指内側の1-5Lに虚の反応が出ていた。

 

 そこから治療点を探すため、ウエーブで飛ぶ。右足拇指内側、左下腿陰、右大腿陰、左腹、がウエーブのルートですから、その4か所を比較脈診する。左腹に一番の実があった。治療点は左腹1-5Lとなった。

 

 治療 左腹1-5Lに印を付け、虚の反応であるから、知熱灸を虚の反応が無くなるまで据えた。右膝内側に提鍼を当て、虚の反応が無くなっているのを確認した。

どうですか? 歩いてみてください。

 

 今さっき痛かった膝の、内側の痛みは無くなっています。あー!! 良かった! 安心したような表情になり帰って行った。

 

 この患者さん、3回の治療で完治している。1か月前から急になった疾患であるから、慢性的な膝疾患とは違う点があるため、治りが早かったものと思われる。

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