臨床例一覧｜丸亀市・高松市の鍼灸院は普門堂鍼灸院

臨床例　女性　３９歳　右耳を引っ張ると痛い

症状

　右耳の耳たぶを下に引っ張ると、耳の中が痛くなる。初めは少しの痛みであったのだが、最近では少し引っ張っても、我慢できないほどの痛みが出るようになった。中耳炎にでもなったのかと思っている。

診察

　右耳を少し引っ張ってみると、すごく痛がる。引っ張らなくても少しおさえるだけでも痛いようだ。これは中耳炎の前触れで、これが酷くなると耳ダレが出てきて、夜中でも耳の痛みで寝られなくこともある。

　このような耳の痛みの特効穴は然谷穴である。右の耳に対して左の然谷穴に知熱灸を据える。早速、左然谷穴に鍉鍼を当てて、虚の反応があるかどうか検査してみた。疑いなく虚の反応がしっかり出ていた。シコリと圧痛もある。

　この然谷穴は深谷灸で著名な深谷伊三郎氏の本に、耳の疾患に対する特効穴として載っている。耳の痛み、耳ダレ、中耳炎、耳のふさがり等耳に関する疾患にとても良く効く穴だと報告されていた。私も若い頃から然谷穴を愛用している。

　私は、耳の痛みの場合、然谷穴に加えて同側の至陰穴を使っている。これは耳の前側が然谷穴の治療範囲である事から、耳を挟んで前、後ろから治療する事を考えて至陰穴を加えた。至陰穴は耳の後ろに効果がある。

治療

　左然谷穴と左至陰穴に印を付け、虚の反応であるから知熱灸で補った。治療後虚の反応が完全に無くなったのを確認した。如何ですか？　耳を軽く引っ張ってみて下さい。　痛みますか？　あれっ！　痛みがかなり薄れています。ほとんど痛くありません、と言った。

この患者さん耳の痛みに関しては４回の治療で完治している。冬場に寒さで足先の冷える人の場合、耳に疾患が出ることが良くある。