初めての疾患にも効果
毎日の臨床の中では、まったく初めて出会う疾患も珍しくない。こんな時、何処に治療点を持ってきたらよいのか、普通なら迷うものである。
ところが鍼灸治療では、明確な検索方法があり、その検索方法に従って、治療点を探してゆけば、治療点が見つかるのです。
西洋医学のような、大変な検査の必要もなく、わずか数分の検索で治療点が分かるという画期的なものです。
では、どのようにして治療点を見つけ出しているのでしょうか?
鍼灸治療では本治法と言って、どの患者さんに対しても、その人のバランスの偏りをまず検索します。
これを証と言って患者本人の、身体の実態がどのようになっているのかを、まず検索します。
本治法とはどのようなものか? 臨床例の中から取り出してみます。
臨床例
女性、20代
、
症状 右手掌、人差し指の第2関節、そこだけ皮膚の皮が剥がれ、痛々しいぐらい荒れている。どこの病院や治療院でも患部に、薬を塗るだけで、まったく治らない。
このように、ある一定の部位だけ皮膚が剥がれる症状は、今まで扱ったことがない。しかし,このような時に、鍼灸では治療点を明確に導き出すことが出来ます。
本治法 脾腎相克 経金穴を使う 右から商丘、間使、左から復溜2、経渠1
実の経絡 ①膀胱経2 ②肝経陽 ③肝経陰
虚の経絡 ①膀胱経1 ②心包経 ③胆経
上記が本治法の結果です。これはすべての患者さんに対して行うもので、提鍼というものを使います。
経絡のツボに提鍼を当て、脈を診ると、どの経絡が強すぎるか、どの経絡が弱っているか、わかります。
それによって、その患者さんの、身体のバランスがどのように変化しているか、一目で分かるようになっています。
さて、この患者さんの患部に提鍼を当て脈を診ると、この患部は、過敏になっている実の反応と、弱っている虚の反応が同時に現れていました。
この場合、実の反応で治療点を探します。本治法の所で、1番の実は膀胱経2となっています。膀胱経2の子午関係にある肺経2は、手掌の人差指になります。
本治法の実、経絡から手掌の人差指までが手に取るように分かります。
右手掌の患部は、右手掌4-4Kという部位で、ここからウエーブで左前腕陰4-4Kに飛び、ここが治療点となります。
患部は虚と実の反応がありますから、治療点には接触鍼をして実の反応を取り除いてから、残った虚の反応に対して知熱灸をして補います。
この治療をしてから、患者さんに患部を触ってもらい、感触を確かめてもらいます。今までの痛みの感触が、半減しているのがはっきり分かります。
ここで問題なのは、患部が右の人差指、第二関節であるのに対して、治療点が左前腕陰の4-4Kという部位にあることです。
これではどんなに考えても、普通では治療点に到達できません。
ところが、鍼灸治療の理論、法則は上記のような、どうしてよいかわからない治療に対しても、簡単に治療点を探し出すことが出来るのです。
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