肩こり
肩こりというのは病名ではなく、肩コリという症状です。この症状は実に多くの経絡が関係しており、何種類もの肩こりがあります。
肩コリを種類別に分けどのような肩こりかを記します。
1、 膀胱経の肩こり
足の後側から腰、背中、首、肩、頭にかけてコル。特に首の後ろから肩にかけてのコリがひどい。
2、 肝経のコリ
背中から肩、首の両側を通り頭の付け根、ボンの窪と言われる処に突き上げてくるような痛みを伴い、ズキンズキンとくるような激しい痛みがあり、異常な肩こりがある。
3、 三焦経の肩こり
顔面のコメカミから、耳の後ろを通り、首の横から肩にかけて痛いようなこり方をする。女性は、このかたちの肩こりをする人が多い。
4、 腎経の肩こり
冬の寒さ、夏の冷房、冷たい物の食べ過ぎ、等により冷えが入ると腎経の肩こりが起きる。俗に腱引きと言われるもので肩甲骨の内側に鉛でも乗せたような嫌な感じの、重く痛い肩こりである。喉から胸にかけてもこる。
5、 胆経の肩こり
側頭部から首の横を通り、肩がこる。時に偏頭痛を伴うことがある。首を横に曲げるとツツパルような感じもある。前頸部から胸の横にかけてもこり感があると訴える人もいる。生理になると特に、偏頭痛と肩こりがひどくなる。
6、 小腸経の肩こり
肩のやや後ろから、肩甲骨の上を通り、腕の後側を小指に向かってコル。特徴は肩、肩甲骨、腕が抜けるように重く、何とかしてくれと、叫びたくなるような凝り方をする。
7、 大腸経の肩こり
口の周りから、喉、腕にかけて重く、しびれるような凝り方をする。腕の使い過ぎで起きる。口の周りに吹き出物ができたり、腕に鉛でも入ったような重い感じになる。
8、 胃経の肩こり
顔面がこわばるような感じでコル。顎関節炎を起こす人もいる。顔面から喉、胸にかけて引きつるような凝り方をする。
以上のように肩こりにもいろいろな症状があり、肩コリをひとくくりにして、肩をもんだり、叩いたり、肩に鍼をしても、その場は良くなったような気がしても、根本的な治療にはならない。
どの経絡の肩こりか、狙いを定めて、的確に治療をすると、長年の慢性的な肩こりも忘れ去ることができる。
肩こりといっても、そのストレスは大変なもので、円形脱毛症やうつ病、脳出血などを引き起こす元凶になることもある。
規則正しい食生活や運動、睡眠、など基本的な生活により多少は緩和される。ヨガ、散歩、ストレッチ、ジョキング、などはよい。
普通の肩こりはマッサージもよいが、痛くて気分が悪いほどのコリがある場合、強くもみすぎたとき、かえってモミ起こしが出てしまうことがあるから注意する必要がある。
暴飲、暴食、過労、風邪引き、等が肩こりの原因となります。規則正しい生活をして、内臓が健康になるようにすることです。
胆経の肩こりの治験例
56歳、主婦、
慢性的な肩こりがあり、特に左側の首の横から肩が凝り、頭痛もする。首の前から胸にかけてもこり感がある。
調べて見ると、足の胆経に実の反応があった。それも絡脈の反応である。
本治法 肺肝相克 右から経渠、商丘、左から中封、復溜、に知熱灸をする。
標治法 右期門 左日月、左右然谷、左右曲池、太椎、陶道、身柱、肺兪、
に知熱灸をして補う。
治療目標 腰椎2番3番の間から左右4センチの間に接触鍼をして実を取り除き、その後、知熱灸をして補った。
治療後、肩首を動かして肩コリの具合を確かめてもらった。すっかり肩こりの痛みが取れているとのことで、治療を終了する。
※臨時休診日はお知らせをご覧ください。
[施術時間]
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