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鍼灸を学ぶ

標治法をするにあたって 2008.05.21

標治法を始めるにあたって

 

本治法と標治法は車の両輪です。証法一致と言いまして、本治法の指し示す証と同じ方向の標治法を行うと効果は一層、大きくなります。

逆に本治法の証は肝実と出ているのに、標治法では肝虚の治療をすると、全く逆の治療ですから病気は治りません。

 

本治法の証に従って標治法の治療点を探す。

 

例えば、目がとても疲れると言う患者さんの場合、肺肝相克という証で、肝経が一番、虚が強い場合、この患者さんの目の疲れは肝経の虚から来ているということが判ります。

そこで、肝経の経絡から標治法の治療点を探し出すことになります。

また、肺虚肝実の証で、肩こりがひどく、後頭部に突き上げてくるような感じで、夜も良く寝られないほどの肩こりで困っている患者さんの場合、肩を調べてみると実の反応が出ているのです。この場合は肝実が原因の肩こりですから、肝経を調べて実の反応をとる治療をすると良くなります。このように本治法の証と標治法の法が一致することが大切です。

 

標治法は治療点を探すことが大切

 

患部が痛いとき、痛い患部に治療を加えるのは、あまり上手な治療とはいえません。

女性で腹が張って痛いとき、三陰交に知熱灸をすえてやると、スーッと腹の張りと痛みが消えてゆきます。腹が張って痛いからと言って、腹に鍼を刺しても治るものではありません。この張りと痛みは何経の変動からきているか、ちゃんと見極めて対処するとき、簡単に治療効果が上がるのです。

 

患者が訴える症状から何経の変動か予想する。

 

患者が訴える症状はすべて、経絡に何らかの変動があるから症状として出ているのであって、なんでもないのに症状だけ訴えることはありません。

望、聞、問、切、広い範囲の中から、何経の変動かを見つけ出すのですから、5分から10分以内の診察時間内に的確な判断を下すのは大変です。

症状は変動の状態を的確に表現しているのですから、これほど診察に有利な情報はありません。訴える症状を分別して何径の変動か、あらかじめ見当をつけておくのです。

 

何経の変動で何処に治療点があるか探すことが大切。

 

痔の病には、百会、好最、大杼、次髎など、特攻穴が有名な本に載っています。

しかし、これでは何処を使ってよいのか、また灸をしたら良いのか、鍼をするのか、なぜその穴を使うのか判らない。治療師自身が全く自身のない状態で治療をしています。

当院の治療は白紙の状態から何径の変動かを見極め、その経に沿って治療点を探し出して治療します。治療点を探し出す道筋があるのです。ちゃんとした理論の上に成り立っています。

標治法は主訴を取り除くピンポイントの治療点です。難しいけどマスターすれば絶対の自信が持てます。

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