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胆経の肩こり

 

59歳、女性、

 

左の肩から首筋、左側頭部を通りこめかみまでこってくる。生まれたころから小児麻痺があり、医者からは慢性の炎症性頚椎症と言う病名をつけられている。

 

本人は子供のころからの疾患である、どこへ行っても治らないから持病だと考えてあきらめていた。

 

東洋医学では、病名とか先天性とかと言うより、どの経絡にどのような、病的反応があるかを調べて、その経絡を正しい状態に復活させる治療をする。

 

調べてみると、胆経に虚の反応があった。他の経絡に比べて、胆経だけが異常に弱い反応を示していた。そのため胆経に流れる気血が弱り、痛み、懲り、痺れ感などが出ていたのである。

 

 

 

診察

 

 写真図1は胆経の経絡を現した図でありますが、こめかみ辺りから頭の側頭部をめぐって側頸部、肩、わき腹、大腿の側面、下腿側面を通り足の中指に来ています。普通は薬指ですが、普門堂では足の小指が膀胱経1行線、薬指が膀胱経2行線、中指は胆経が通っていると考えております。

 

 診察してみると左足の中指(胆経)に虚の反応が出ている。その経絡に沿って左肩から側頸部、側頭部、そしてこめかみにも虚の反応が出ていた。

 

明らかに胆経が虚しているために起こっている症状であった。

 

 

 

 写真2は左足中指の経脈のうち、どこに最も虚の反応が強いかを調べる写真です。関節ごとに5等分して、足首よりが特に虚していた。

 

 

 

 写真3、ウエーブで右に飛び、下腿胆経の最も膝に近い場所、陽陵泉穴が治療点となります。

 

 胆経は1定の幅がありますので、治療点は腓骨頭に1点、腓骨頭を前面に降りたところに1点、後面に降りたところに1点とり、合計3点です。

 

 

 

治療

 

 虚の反応ですから、鍼はしません。知熱灸を治療点に3回づつ行います。

 

虚の反応がなくなったら治療は終わりです。

 

患者の左側頭部、頸部、肩の違和感を訴える部分に提鍼をあて反応を診ます。

 

虚の反応がなくなっているのを確認して、患者さんに肩、首を動かして貰い、症状がなくなっていることを体感して貰う。

 

しかし、この患者さん、もともと先天性の疾患であるため、治療しても1週間しか持たない。常連さんとなって、週1回は治療している。

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