アレルギー疾患と国の対策
4月24日、朝日新聞に、アレルギー対策、国に義務、という見出しでアレルギーに取り組む、国の姿勢が記載されていた。これを読んで、ずいぶん見当外れの対策をするものだとあきれました。
鍼灸院を経営する当院には、アレルギー疾患の患者さんが訪れてきます。花粉症、皮膚炎、喘息、顔面の湿疹、アトピー性皮膚炎、目のカユミ、などで困っている人が来ます。
例をあげると、花粉症の患者さんの特徴は、鼻水、クシャミ、目のカユミ、が特徴だが、鍼灸治療では、これを実と虚に分けます。
顔面には胃経と大腸経、肝経、という3つの経絡が通っていまして、それが実の反応を示しています。
実の反応と言いますのは、過敏になっていて、ちょっとした刺激にも反応するアレルギーのことです。
それに対して頭には、膀胱経が通っています。これは鼻の中に関係しています。肺経という経絡は目に関係しています。この膀胱経と肺経はともに虚しています。虚というのは弱っていることです。
胃経、大腸経、肝経、の実と、膀胱経、肺経、の虚を組合せてみると、立派なアレルギー症状が出来上がります。
鼻の中の弱り、目の弱り、その近辺を通っている胃経、大腸経、肝経、の過敏な通路。弱った皮膚に過敏が重なると、チョッとした刺激で、鼻水、クシャミ、目のカユミが起こります。
なにもスギ花粉だけではありません、原則としては、皮膚を刺激するものであれば何にでも反応します。
特に体が、過敏反応を起こす物質として、スギ花粉が圧倒的に多いだけです。
鍼灸治療では、胃経、大腸経、肝経、の実を取り除く鍼を行います。また膀胱経、肺経の弱りを補うために知熱灸をします。この治療を5回ほど施すと、ほとんどの花粉症は収まります。
このような治療を通して、なぜ実の経絡が現れるのか、なぜ虚の経絡が現れるのか、ここを解明しないことには、本当の意味でアレルギー疾患の解明にはなりません。
国は、スギ植林に偏らない森林の整備、だとか、食物アレルギーを起こす成分が入っていないか、確認できるよう食品表示の充実をする。などの対策でアレルギー疾患に対応しょうとしています。
また、教職員の研修会、家族への相談体制、専門医、栄養士、調理師の育成にも力を入れて予算化するようであります。
これらはすべて、アレルギーになった後での、対策であって、ずいぶん小手先のことに巨額のお金を費やすように思われます。
これではいくらお金があっても足りないし、終息させることはできない。お金をかけるのなら、何が原因なのか究明することが、国の仕事ではないだろうか。
本人の過食、間食、酒、タバコ、など食生活に原因があるのか。
食品添加物、農薬、医薬品、大気汚染、化学肥料、など環境が影響しているのか、そのあたりを徹底的に究明するには膨大なお金と、研究者、施設、時間が必要です。
国のやる仕事は小手先のことではなく、根本的な原因を追究してこそ、国の仕事として認められるのではないでしょうか。
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