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臨床例

後ろへ回せない50肩 2017.03.14

後ろへ回せない50肩 香川県 高松店 丸亀店

 

 50肩で腕を後ろに回すことが出来なくて、エプロンの紐を結んだり、ブラジャーのホックを止めるときなど痛くて困る、50肩の人もかなりいます。服を着る時に後ろに腕が回らないため、痛いほうの腕に袖を通してから、服を着るようにしています。

 

 後ろに腕が回らないのは小腸経という、手の小指に関係する道筋が過敏反応を起こし、後ろに腕を回と激痛が走るのです。小腸経というのは子午関係で肝臓と関係があって、イライラしたり、怒りっぽくなりやすい人に多く出ます。

 

 50肩の場合、反対側の上腕に治療点を取ることが多いのですが、反対側の足で、大腿に治療点を取ることもあります。50肩の治療に反対側の大腿を治療することは、考えられないという人もいますが、実際にはこれもよく効く治療なのです。

 

臨床例

 

 女性、52歳、1か月前から左肩が痛くなりだし、動かすと痛い。服を着るとき、痛い腕を通してから服を着るようにしている。ブラジャーのホックをするときも困る。

 

 治療 肝経に実があり、子午関係にある右の小腸経に過敏反応が出ていた。腕の後ろ側で、右上腕陽1-5Kに治療点を取った。実と虚の同時反応であるから、接触鍼をして実の反応を取り除いてから、残った虚の反応に対して知熱灸を据えた。

 

 この治療で腕を後ろに回すのは楽になった。しかし、腕を斜め上方に挙げると痛いという。調べてみると、右足の胃経に〈足示指陽〉に過敏反応が出ていた。右足胃経から右大腿陽に飛び、右大腿陽1-4Lを治療点とした。ここに接触鍼と知熱灸をすえると、腕を斜め上方に挙げるのがスムーズに挙がるようになった。

 

 上記の治療点を見て分かるようにKとかLと書いてあるのは、Kが経脈で、Lが絡脈です。体は全身が経脈と絡脈で隙間なく埋められています。ですから全身すべてにツボがあると考えてください。右大腿陽1-4Lというのは右大腿にある番地なのです。

 

 左50肩に対して、治療点を右上腕に取るのも、右大腿に取るのも、原理は同じで、患側と健側のバランスをとることによって、痛みが無くなるものと思われる。

 

 この患者さん、3回の治療で完治している。まだ1か月前からの痛みであるし、拘縮や、運動制限が起きていない状態であったため、治りが早かったのだと思う。

 

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