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臨床例

逆まつ毛 

 

臨床例 男性、81歳、逆まつ毛

 

症状 上瞼か落ちて来て目が塞がりそうになり、それと同時にまつ毛が目に入り、チクチクと痛くて我慢できない。上瞼を持ち上げていると気持ちが良いのだが、何時も持ち上げている訳にはいかない。

 

上瞼を持ち上げる手術をした方が良いか相談に来た。鍼灸で上瞼が持ち上がるのなら、手術はしないで置くと言う。上瞼が緩んでおり、目が細くなって外を見るのも見えにくいと言う。

 

診察

 

上瞼の上を提鍼で検査してみると虚の反応がある。横のKの線と、縦のLの線を提鍼で検査すると、額から上瞼、頬、顎までのL線上に虚の反応が現れていた。その中でも上瞼の所(顔面2-4L)が一番虚となっている。

 

顔面の治療には頭を使う事が多い。頭と顔面は表裏の関係で、顔面の蓄膿症とか目の疲れにも頭を使う。今回の逆まつ毛に対しても、頭に提鍼を当てて検査してみると頭に虚(頭2-4L)の反応がある。

 

頭と手背、足背は密接な関係にありますので、治療点は頭に取るか、手足に取るかを比較検討した。最も虚の反応が強く表れている所が、手背2-4Lであった。そこで治療点は手背2-4Lとした。

 

治療

 

虚の反応であるから、手背24Lに知熱灸を反応が無くなるまで据えた。治療が終わると目がスッキリして上瞼がぱっちりと開いた。

 

1週間後に来院した時に逆まつ毛の状態を聞いてみると、今週はほぼ正常に推移したのだが、上瞼がともすると下がろうとする感じはある。もっとしっかりと上がる状態にしてほしいと言う。

 

81歳の年齢を考えると、完治は難しいが生活に困らない程度までは治る。

photo: ダミー

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