胃酸過多というのは、胃もたれと違って、実(過敏)と虚(弱り)の反応であります。比較的若い人に多く、鍼灸治療をしないといつまでも胃酸過多が続き、胃薬を何十年も飲んでいる人もいます。過敏になっている実の反応を取り除けば、胃酸過多は収まります。
原因としては、大食い、脂っこい物の食べ過ぎ、加糖飲料水の飲みすぎ、過度なアルコールの摂取、風邪ひきの時のウイルスの侵入、薬剤の影響、ピロリ菌の影響、などが考えられます。何かの影響で肝臓系統が過敏になっているのが原因です。
症状としては、酷い胸やけ、酸っぱい物がこみ上げてくる、胃の痛み、げっぷ、膨満感、食欲不振、嘔吐、などがあります。特に悪い安物の油を使った、から揚げなどを食べたときには、胃の内容物が消化されずに嘔吐することもあります。
なぜ、このような胃酸過多が起きるかというと、胸椎の8番、9番、10番、11番、(筋縮穴を中心にその上下3cm)の正中線上に実の反応があるのです。この胸椎から神経が出て肋間を通り、腹の方まで回ってきます。腹では胃の神経となって胃酸の分泌に関係します。
食事をすると、胸椎8,9,10,11,の神経に伝達されます。ところがここが過敏である為、神経が酷く興奮して、胃の方に興奮した神経が送られます。その興奮状態によって胃の胃酸分泌が盛んとなり過ぎて、胃酸過多となるのです。
胃酸過多を治療するために東洋医学では胸椎8,9,10,11、の正中線上に鍼をして過敏反応を取り除きます。鍼先を斜めに伏せて、胸椎上を31回~51回さすります。実と言っても実(生体電流)の滞りですから、表面の気を漏らすと良いのです。
鍼をして実の反応が無くなったら、残っている虚の反応に対して知熱灸(5壮~7壮)を据えます。実と虚の反応が取れたら治療は完了です。普通1回の治療で50%は症状が無くなります。週に1回、全部で5回の治療で完治しています。
何年も、人によっては何十年も胃酸過多症状が続いていたのが、多くてもわずか5回の治療で完治するのですから、鍼灸治療は優秀だと思います。胃酸過多は苦しい病気ですが、胃酸を中和する薬を飲めばすぐに症状は治まります。
目先の症状だけは薬で簡単になくなるので、薬に頼り、胃酸過多の病気は放置している人が多いのです。東洋医学で完全に治すほうが良いと思います。
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